さて仲間集めである。
ポスターを貼って勧誘活動するアイデアも行動力もなく
ひたすら口コミ作戦。
しかも自分の周りの席の人だけ。

もうこの段階で、国語の先生の
思うつぼだった。

しかし・・・

情報がどんな風に広まったのか・・
というより、漫画を描いてみたいと思っている人は
やっぱりいるのだ。

ひとり、ふたり・・・と、自分の描いた漫画を持って集まってきた。

放課後、教室に初めてみんな集まった。
何人集まったか覚えていない。
そこで何を話し合ったのかも覚えていない。
ただ、そのあと、担任の先生から
学校のクラブ活動ではないので、
「他の場所で集まりなさい
と言われた事は覚えている。

鈍感な私は気がつかなかったのだけど、
振り返ってみると
私のやろうとしていたことは
学校にかなり嫌がられていたようだ。

今ならその理由はわかる。
クラブとなれば予算やら責任やらなんたらかんたら
いっぱい問題が生じる。

学校を追い出された私達は
近くの青少年センターの一室や
メンバーの家に集まっていたように思う。

そういう場所で
描いてきた漫画の批評をしあった。
締め切りを決めて
同人誌を発行することにした。
同人誌の名前を決めた。

それが「えんぴつ一本」だった。

肉筆回覧誌「えんぴつ一本」は合計3冊作った。
3冊目を作った頃に私達は3年生になり
高校受験などで漫画を描くことができなくなり
漫画研究会は自然消滅した。

国語の先生はさぞ胸をなで下ろしたことだろう。


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