せきが でて あたまが ぼーっと するので、 びょういんに いくと 「はいえん」 といわれて すぐに にゅういん することに なりました。
あっこは せきを しながら いちにちじゅう まどの そとを ながめていました。
まどからは あきやらしい ふるい いえが みえます。
よくみると かべに ちいさな あなが あいていて そこから わらのようなものが はみだしています。
そして その あなから すずめが でたり はいったり しているのです。
「あんな ところに すを つくったんだ」
すずめは まいにち いそがしく うごきまわって いました。
すずめを みることは たいくつな びょういんせいかつの なかで、あっこの たった ひとつの たのしみでした。
にゅういんして 2しゅうかんが たちました。
「そとに でたいなあ」
そんなことを かんがえながら ベッドで ねていると すずめが まどの そばまで とんできて、あっこに
「だいじょうぶ もう そとで あそべるから」と いいました。
「えっ?」
あっこが、ベッドから おきあがったとき びょうしつの ドアが あいて おいしゃさんと おかあさんが はいってきました。
「よかったね びょうきは すっかり なおったよ。もう いつでも たいいん できるよ」
おいしゃさんが にこにこしながら いいました。
あっこが まどの そとを みると すずめは もう いませんでした。
たいいんの ひ あっこは あの すずめが すんでいる あきやに いってみました。
すずめが あなから かおを だしました。
「すずめさーん」
あっこが てを ふると すずめは くびを かしげて いちどだけ ウインクしたように みえました。 |