あっこのにっき8
 5がつ23にち             おとうと
 

 あさ あっこは おとうさんに おこされました。

おとうさんは あっこに ふくを きせてから くるまに のるように いいました。

「おかあさんは どこに いったの?」

「びょういん」

「おかあさん はいえんに なったの?」

あっこは このまえ じぶんが はいえんで にゅういんしたことを おもいだして なきそうになりました。

「ちがうよ あっこの おとうとが うまれたんだよ」

 びょういんに つきました。
びょうしつに はいると おかあさんは ベットのうえに すわって あかちゃんに おっぱいを のませていました。

「ほら あっこの おとうとよ」

 あっこは おとうとって いっしょに おやつを たべたり いっしょに ゲームを したり いっしょに こうえんで あそんだりする おとこのこのことだと おもっていたので、めのまえの あかちゃんをみて ちょっと がっかりしました。それに いままでは おかあさんは あっこだけの おかあさんだったのに このあかちゃんの おかあさんにも なってしまったのです。

そんなことを かんがえていると あっこのめから なみだが ぽろぽろ こぼれおちだしました。
おかあさんは びっくりして あかちゃんを かんごふさんに あずけ、あっこを だきしめました。

「どうしたの? あっこ あかちゃんが きらいなの?」
あかちゃんが エン、エン、なきだしました。
それでも かまわず おかあさんは あっこを だいていてくれます。
いつもと かわらない あたたかい おかあさんの むねのなかで ふあんな きもちが どこかに きえてしまいました。

「おかあさん あっこの おとうとが おなかすいたって ないてるよ。おっぱい あげなきゃ」
あっこは なみだを ふきながら いいました。

 あっこは きょうから おねえちゃんに なったのです。 



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